はじめに:即断即決にまつわるあらゆる真実!
「成功者の鉄則は即断即決」
「チャンスを掴む人は決断が早い」
「大きな目標達成をした人の特徴は決断力があること」
――このような言葉を目にするたび、「自分は決断力がない」「優柔不断でダメだ」と悩んでいませんか?しかし、結論からお伝えすると、「ただ早く決めること(即決)」だけが成功をもたらすわけではありません。
実は、
- 即断即決できるからといって、うまくいくことばかりではありません。
- 即断即決できるからといって、その決断で成功する訳でもありません。
- 即断即決できるからといって、全てを目標達成した訳でもありません。
- 即断即出してトラブルになったり、誤った選択をしてしまう例は世の中に溢れています。
成功法則における「即断即決」の本来の意味とは、単にスピードを競うことではなく、「選択した後に違和感を覚えたら、後からいくらでも修正する勇気を持つこと」です。
この記事では、成功法則の一つとされている即断力、その即断の持つ裏の真実について、お伝えします。
即断が良い結果になるとは限らない!|その理由
物事に対してすぐさま迷うことなく決めること。即断即決すること。
それがよしとされている中で、「悩んだり、迷いやすい、優柔不断で決められない」そんな自分が嫌になること、ありませんか?。
かつての私は、優柔不断な自分にイライラし、そのことで人生がうまくいかない感覚に陥っていました。悩んで悩んで、考えた末に決めたことなのにうまくいかない結果になったりしました。
ですが、今ならわかります。
「決断力があるから、うまくいくわけではない」ということです。
世の中で「決断力がある」とされる人でも、実は間違った即決をしてしまうことがあります。特に注意が必要なのが、自分自身の「ウィルパワー(意志決定のためのエネルギー)」が枯渇している時に、決断しようとすることです。
【実例】ウィルパワーが低下した時に起きる「他者依存の決断」
私自身、かつて家族の介護に追われ日々の中で、雑多な判断を迫られる状況や疲労で脳も心も疲れ切っていた(ウィルパワーが著しく低下していた)時期がありました。
そんな時、信頼を置いている専門家の方からの提案の療養に対して勧められるままに「そこでいい」と言ってしまいました。
内心提案された瞬間に、「そこではあまり効果がないだろうな」と感じていたのにです。それは父が以前入院していた病院の関連施設で、あまりいい印象を持っていなかったこともあったのにです。
しかし、当時の私は、家事、介護、その他諸々の事務的な整理、など多くのことを抱えていました。そのことで、自分で考える気力を失っていました。「信頼する人の言うことだから」と自分の違和感を押し殺した結果、状況を悪化させる選択となってしまったのです。
- 信頼する人のいう事だったから
- 自分の頭で考えることを放棄してしまったから
- 考えることに、疲れてしまっていたから
こうしたことは、どなたでもあると思います。
振り込め詐欺、オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空請求詐欺 などいろんな手口によって呼ばれ方が変わりますが、突然、息子や役所の職員、警察官、銀行、法務局などを名乗って電話がかかり、お金やカードを騙し取る手口があります。
その時、真偽も確かめず言われるがままにして、お金を騙し取られてしまう。
私に限らず、「これいいよ!」と人に勧められるがままにモノ、コトを選んでやってみても、どうも自分には合わなかった。高いお金を払った後に、気づいて「これも経験」「自分に合わない事を知ることができてよかった」と肯定する。それはそれでいいですが、それを決断する前に、少し考える時間を持ったら、高いお金を払わずにすむのです。
これは介護や病気の治療に限らず、仕事や買い物、人間関係でも同じです。「信頼する相手への依存」や「思考の放棄」による即決は、後悔を生む典型的な例となります。
成功法則「即断即決」における選択と修正の真相
一度決めた後に「やっぱり違ったかもしれない」と感じた時、多くの人は「一度決めたことを覆してはいけない」「決めたことを変えたら周囲に迷惑がかかる」という思い込みに囚われます。これは日本人が陥りやすい制限のビリーフですが、決断するということは、そこには【なんらかの理由】【なんらかの目的】があるから決断をするのです。
真の成功者が行っている「即断即決」のプロセスは、理由と目的がはっきりしている事、過去の経験値との照らし合わせができる地頭力ががあるからで、決して「一発で正解を選び続けている」わけではありません。「まずは選択し、違和感があればすぐに修正する」というサイクルを高速で回しているだけなのです。
以前、【ウィルパワー(決断力、意志決定力)には限りがある】ということをお伝えしました。

- 日々雑多なことに追われ、自分で考えることをしない
- あなた自身の気持ちを日々感じないでいる
- その場に流されてに過ごしている
ということは、よくあることで、しかし、それでうまく行くことはますます難しくなってきています。それは、世間の通例として<正しい>と思われていたことが、<正しい>こととして通用しなくなり、一人一人が自分の意志を持ち自分の考えで動いてこそうまく行く流れになってきているからです。
「誰か他の人の言うがままに選択すること」それは、「誰かに、何かに、人生を握られていること」に等しく、そうした時、あなた人生がうまく行くはずはありません。
私自身も、OKしてしまった先の父の受ける治療の施設を、ある人の一言での思い直し、一旦保留にしてもらい、他を調べあげながら選択肢を広げ、本当に納得できる施設を選択し直しました。
「誤った」「違った」と気付いたら、いつでもその選択を修正していいのです。
違和感のある選択を「軌道修正」するための3つのマインド
【即断即決】【決める】ということには、【なんらかの理由】【なんらかの目的】があるからです。その目的のために決めるということは、その前提として、【選ぶ】ということが伴います。
【やる / やらない】【Yes / No】【良い / 悪い】【A、B、C、D、E・・・・・・の中でどれか】というようにモノの選択、時間の選択、空間の選択、金額の選択、状況の選択、などの関連する項目、条件を踏まえた上で決めていることがほとんどです。
即断即決できる人というのは、こうした条件を全く考えないか、あるいは、頭の中で瞬時に何を選別するか」という事を無意識のうちにしています。
そのほとんどは、「事前にそのことに関して多くの情報を知っていること」や一度ならず体験したことがあることなどだからです。知らない事ならば、調べ、選択肢を広げていく。仮の決定をしたり、決めたけれど保留する、違和感を感じたら、また他の選択肢を模索する。そうした中で、「これしかない」決断がでできるのです。
何もないところから、湧いて出てくるように即断できるわけではないのです。
- 「撤退」ではなく「最適化」と捉える
一度決めた選択の撤回を「挫折」や「失敗」と捉える必要はありません。新しい情報や自分の本心、目的に合わせて「軌道修正(最適化)」しただけです。 - 違和感は「自分軸」からのアラート
どんなに素晴らしい成功者や専門家の助言でも、あなたの人生の責任を取ることはできません。違和感は「自分軸を取り戻せ」という心からのサインです。 - 「決める目的」を明確にして問い直す
その選択によって何を得たいのか?」という本来の目的を脳に質問することで、過去の選択を捨て、今の最善を選び直すことができます。
納得度の高い「本物の決断力」を育てる5つのステップ
成果につながる質の高い即断即決をするためには、ただ感情やその場のノリで決めるのではなく、日頃から「決断の精度」を高める準備が必要です。それには、あなたの内面の意識を育て、あなたの五感の感覚を育てることです。
具体的には、
①日々、五感の感覚を意識して過ごす
五感というのは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の事で、私たちは常にこの五感を意識的、無意識的にこのセンサーから情報を取り入れています。
- 今、あなたの目の前にあるものは、何ですか?
- 今、あなたが聞いている音は、どこから発していますか?。
- 今、あなたが触れているもの、それはどのような感触ですか?。
- 今、あなたが口にしているものは、どのような味をしていますか?
- 今、あなたがいる空間にだたようのは、、どのような香りですか?。
ちょっとした瞬間、少しゆっくりとできる時、あなたの五感で感じ取っているものに意識を向けてみてください。
そして、その五感で取り入れる感覚を、ご自分の望むもの、好きなもの、を基準にして選択してみてください。日々の暮らしの中で、忙しくしている時、そうしたことに意識を向けることはほどんどないことでしょう。どのような情報であっても受け取るセンサーの感度が鈍っていれば、正しい判断をすることができなくなります。
【決めるということには、選択が伴う】とお伝えしました。より良い選択、より良い判断をできるようになるには、流されるのではなく、五感の感覚を通して本当に望むものを選べるようになる癖(習慣)を作るのです。
そうした五感の感覚があなたの内面につながって行くことで、第六感という直感が身についていきます。そして、イザという時、本当に望む結果に結びつくものを選ぶような決断が下せるようになるのです。
まずは、日々の中で、自分にとって快適なこと、五感を意識した暮らし方を取り入れていきましょう。仕事に追われることがあったとしても、プライベート工夫して五感を感じられる時間をわずかでも作ること。
そして、周りの状況や、環境に、意識を向けること。それによって、五感がキャッチしている情報を、情報として意識が受け取ることができます。ボ〜っとしたままでは、何も気づかないままです。
そして、即断即決の経験値を上げていくのに、小さな決断から始めてみてください。
②即断即決のための経験値を上げる
そうした五感の選択を高めていきながら、即断即決の経験値を上げていきましょう。
以前、ある食品工場さんのメニュー開発のコンサルティングをしていた時、その工場の入社したての女性社員さんと、外の施設で作業してランチに出ることになりました。一緒に食事する緊張感からか、はたまた、食事をすることも勉強と感じたのか、メニューをなかなか選べないのです。
その彼女の中に起きていたこと。それは今ならわかる気がします。
- こうするべき? / べきではない?
- こうしなくてはいけない? / こうしてはいけない?
という、頭で考えすぎて、いっぱいいっぱいになってしまう。それは、外側の視点(周りの人)を意識しすぎて 自分の基準で選べないからなのです。
些細な事から、【あなた自身の五感を基準にして決める】という経験をしてみてください。私たちは、一度経験したことに対しては、そのさきの予測がつくので迷うことなく、決断を下すことができます。迷うということは、それでいいのか、間違っていないのか、が経験的にわからないから迷うという一面もあります。

③必要な情報を精査した後、いったん保留する間を置く
成果の高い即断即決している人は、その場で直感でスパッと決めて、実は何も考えてないわけではなく、決めるまでにその物事に関して考え、情報を集め、精査した上で決断していたりします。そうした時間を持ちながら、自分なりの判断基準を通して、「自分なりの目標や目的、に見合うものなのか?」次第にはっきりとさせていく事をしています。
そうした煮詰まった状態の後ふとそこから意識を逸らして、休んだりホッとする時間を設ける事で、そうした間がある時に、「ふと閃き」や「これだ!」という決断が、自動的にできたりするのです。
自動成功理論と言われる<サイコサイバネティクス>提唱した、マクスウェル・マルツ博士の著書『自分を動かす』には、作家や発明家の創造的な仕事をしている時の成功体験の方法として、意識の使い方いかんによって、成功を産むか否かが変わると記しています。
生涯の中で1300もの発明をしたトーマスエジソン、『種の起源』チャールズ・ダーウィンイギリスの哲学者・バートランド・ラッセルなど、多くの業績を残した著名人たちは、意識的に集中的にそのことに関して考えまくった後、それから離れる間、時間、休息、という、そこから意識的に離れる時間を通して創造的な閃きや判断をしているのです。
先にのべた、意識的な情報がリラックスする時間を取った事で無意識に降り、直感や閃きが起きてくる。ということと同じです。
直感で決める、即断即決で決めるというのは、「何も考えていないわけではない」のです。
④生きる上で、必要なものを選ばなくてはならない時の即断
即断即決が必要、という場合も確かにあります。例えば、こんな場合をイメージしてみてください。
仕事中、あるいは、何かしている最中に、トイレに行きたくなる。その時、迷う事なく、トイレに駆け込むはずです。「今、行っていいだろうか?」「勝手動いたら、非難されるだろうか?」と悩んでいたら、おしっこを漏らしてしまうし、我慢することが続けば健康を損なう事態になるやもしれません。(小学校1年生の時に、居残り勉強の時におしっこ漏らした者として、これは我慢したらいかんです!)
大雨による浸水、竜巻、地震、など自然災害が絶えない昨今ですが、「あっ、危険だ」とするのは、周りの状況から直感的な判断です。この時判断を誤って、仕舞えば命を落とすことにもなりかねません。こうしたことも日頃から五感の感覚を磨いておかなかければ、生きる上で必要なことに対して、極端に悩んで悩みすぎて、選べないという場合、選ばなければ生きていくのに支障がありますよね。
アメリカの心理学者、アブラハム・マズローは、人の持つ欲求を五つの階層に分けて、理論化しました。
そのマズローの欲求五段階説では、根源的な部分にある人の持つ欲求の第一段階は、生理的欲求で、食べる、寝る、排泄する、水や空気など人が生きる上で欠かせないものへの欲求としています。その第一段階の生理的欲求が満たされると、第二段階の安心安全(経済的、住居、健康状態、危険な状態を避ける)を求める欲求を満たそうとしていきます。そしてさらに、第三段階(社会的欲求)、第四段階(承認、尊厳の欲求)、第五段階(自己実現への欲求)と、人生の質を挙げていく欲求を次第に求めるようになってきます。
この、マズローの欲求五段階説のように、ベースとなる欲求ほど即断即決が不可欠となり、上位の欲求になるほど、思考したり状況判断が必要になったりします。もちろん、体調がすぐれず、もしかしたら緊急の処置(治療)が必要だという場合もありますし、
安心安全を求めるためには、躊躇うことなく即断が必要な場合もあります。
⑤修正することが、成果を上げる即断即決だと知る
ご自分に以下の質問を投げかけてみてください。あなたの脳は、質問を投げかけることで A4用紙30ページ/毎秒 の情報を自ら検索し探し始めます。
- 決めること、それ自体の目的はなんなのか?
- 決めることが、何に影響を及ぼすのか?
- 決めることで、何が得られるのか?
- 決めたそれによって、どんな変化がもたらされるのか?
- 決めること、それ自体の目的はなんなのか?
を明確にすること。それによって、その決断が意識がそこにむかい、動き出すのです。あなたの今後の方向性を決めるからこそ、選択し検討し、決断して行動、そして違和感があれば、修正することは、ごく自然なことで、一度で成果が得られる決断ができるわけではないのです。
その決断は、良くも悪くも、あなたの人生を左右するものだからこそ、修正が必要になるのです。
即断即決力を高める5つのポイント
- ① 日常の五感を意識して「自分の基準」を育てる 五感(見ているもの、聞いている音、味や心地よさ)を意識し、自分の「好き・心地よい」を基準に選ぶ習慣をつけることで、無意識(直感)の精度が上がります。
- ② 小さな「選択と決定」の経験値を増やす ランチのメニューや日用品など、他人軸ではなく「自分の基準」で決める小さな成功体験を重ねます。
- ③ 熟考した後にあえて「間(休息)」を置く エジソンやダーウィンのように、情報を精査した後にふっと意識を離してリラックスする時間を作ることで、無意識から「これだ」という閃きが降りてきます。
- ④ 欲求のフェーズに合わせて決断スピードを変える 危険回避などの緊急事態は即決が必要ですが、人生の質を高める選択ほど、じっくり状況を判断する時間を持つのが正解です。
- ⑤「いつでも修正できる」という前提を持つ 「一発で決めなければいけない」というプレッシャーを手放し、「合わなければ後から修正すればいい」という逃げ道を作ることが、結果として良い選択を生みます。
