もしあなたが今、深い悩みや不安で動けなくなっているなら、NLP心理学の専門家として、あえて強くお伝えします。今すぐ、『考える』のをやめてください。
「どうすれば解決できるか?」「何が原因だったのか?」
私たちは悩み事に直面すると、必死に頭を使って『正解』や『原因』を探そうとします。
しかし、考えれば考えるほど、訳がわからなくなっていませんか?。
他人の助言も「本当にそれが正しいのか?」と疑ってしまい、苦しい『ぐるぐる思考』の沼にはまっていないでしょうか。実は、不安で視野が狭くなっている時、その“思考”こそがあなたをさらに行き詰まらせる最大の原因なのです。
この記事では、なぜ悩んだ時に「まず考える」ことが間違いなのか、その脳科学的な理由からその理由を解き明かします。そして、その思考のループを断ち切り、あなた自身の解決力を取り戻すための、最も効果的で驚くほど簡単な方法——それは「まず身体を動かすこと」——について、具体的に解説します。
なぜ、悩んだり不安になった時に、「思考」をしてはいけないのか?
最初に考えることで、余計に行き詰まるため
なぜなら、何かに悩んんだり、不安に陥っている時というのは、不測の事態がおきたからではありますが、
- 思うようにいかない、予想していたようにいかない
- それまでの考え方、やり方では、うまくいかない
から悩みにおちいるのです。
そうした時、人は、焦ってしまったり、あれはどうだろう?、これはどうだろう?と思考し、情報をかき集め、物事に対して正しい判断をしようとします。
それは悪いことではありませんが、その時人は、ある一定の空間に閉じこもり、何時間も、同じ体の状態のまま、頭(思考)だけを使うことをしがちです。
解決へとつながる思考、悩みに陥らない思考の仕方には、ある一定の方法があって第三者的な視点であるとか、問題を俯瞰しできる思考の仕方とか、独自の設問の投げかけ、などが必要となります。
悩んだり、不安になっているとき、人は嫌でも考えて(思考で)、今の状況をどうにかしようとしますが、そうすると、視界は狭まり、身体も硬直し、時には俯きがちになります。そうなると、どんなにいい情報を見たとしても、「解決する方法に役に立ちそう」「こうすればうまくきそうだ」というような思考に結びつきません。
ロダンの彫刻「考える人」を知っていますか?。あの彫刻の姿のように、人は考えようとすると、体を小さく丸めて、俯きがちになります。そうすると、どんなにいい発想をしよう、問題を解決するための良いアイデアはないか?と考えて、考えて、どうにかしようとします。
そして、大切なのは、姿勢や身体的な状態、五感からの情報の捉え方、などが心理的な状態(感情、気持ち、思考)に影響することに気づくことです。
そうなのです。
- 身体的な状態が硬直すると、思考も硬直化するのです。
- 俯いて視界が狭くなると、広い視野で考えられなくなるのです。
すると、ますます、「ああでもない」、「こうでもない」、と狭いところで悩みや不安が膨張する。自分では、どうしたら良いかわからない思考沼に陥ることになります。
それは、本来持っている、あなた自身の解決力を全く使えていない状態です。だからこそ、問題に直面した時、悩んだり不安におちいってしまうからこそ、一番最初に【考えて】はいけないのです。

問題や悩みが発生したら、まずやるのは【身体を動かすこと】
これから先の未来が、漠然として、先が見えない。そんな曖昧な状態になると、脳は危険信号を出し始めます。強い精神的な疲労から、鬱を発症することさえあります。
私たちが、強いストレスを感じた時には、それに対応する身体のシステムがありますが、その中心となるのがHPA系とよばれるもので、私たちが生物として存在し始めた何千万年も前までたどることができるもので、三つの脳の部位と臓器とホルモンが関係しています。
HPA系というのは、三つの脳部位から成り立っているもので、視床下部(H=hypothalamus)→下垂体(P=Pituitary gland)→副腎(A=adrenal glands)へと信号が送られ、副腎がコルチーゾルというホルモンを分泌するという一連の流れが発生します。
コルチーゾルは、ストレスホルモンと呼ばれますが、その働きは多岐に渡り、
・糖質、脂質、タンパク質の代謝調整
・抗炎症、免疫抑制
・活動の促進
などがあります。
これは、ストレスによって発生する身体の調整作用を行なっているといえます。しかし、長くストレスが続く場合、頻繁にストレスに見舞われる場合にはコルチゾールが過剰に分泌されることで問題がおきます。ただでさえ、現代では、問題や困難な状況が頻発することもしばしばです。
問題解決ができないばかりか、ストレスが解消されず、脳の萎縮を招く事態にもおちいります。
その時一番影響を受けるのが、前頭前野、扁桃体、海馬です。それによって、問題解決能力/逆境に耐える能力/感情のコントロール/衝動性のコントロール/などが低下するとされています。
そうしたHAP系が活発になりすぎることで起こる、コルチゾールの過剰分泌を抑えるのは、抗うつ剤などに頼らずにできるのは、運動なのです。
身体を活発に動かすことでHAP系を落ち着かせることができるといいます。これは何も激しい運動ではなく、習慣的に運動、つまり身体を動かすことを心がけること。なぜなら、身体を動かすことは、それ自体がストレスに相当するものだからで、起業家や精神的に落ち着いている人が定期的に運動しているのは、身体の健康だけでなく、運動した後の心が落ち着くことを感じとっているからかでしょう。
(参考文献:『ストレス脳』アンデシュ・ハンセン著 新潮新書)
ここで提案したいのは、なにもいきなり激しい運動、マラソンしたり、筋トレしたり、ハードなヨガ教室に通ったり、をしろと言いたいのではありません。それは日常生活の中でできることをすることです。
- 掃除機をかけたり
- 床を磨いたり
- 庭の雑草をぬいたり
- 料理の食材を買い出しに行く
- 家の中の不用品を回収日に出す
- 洗濯をして干す
- お風呂に入る
など、日常生活をしていれば必然的に身体を動かすことになります。
悩みや問題を解決したい時ほど、一旦そこから離れて、なにか身体を動かすことです。また、習慣として定期的に身体を動かすうちに、ストレス反応としてのHAP系の活動が穏やかになっていきそれが持続していくとされています。
すると、
- 記憶の中枢である・・・海馬
- 感情記憶を司る・・・扁桃体
- 抽象的な考えを具体的に分析していく・・・前頭葉
の活動が強化されていき、ふとした瞬間に問題や悩みに関してのアイデアや、「こうしよう!」という意識が、はっきりしてくる。
一見何も関係ないような身体の動きの中で、こうした発想が湧いてくるのは当然のことで、なにかに没頭したり集中することで脳の中では、情報の整理や関連することをつなぎ合わせることをしています。変性意識状態ともフロー状態とも呼べる状態は、無意識下にあるさまざまなあなたの中にある、情報や体験記憶を通して可能性と未来を導き出す作業をしているのです。
だからこそ、悩んだり、不安になるような問題に直面した時、意識的に身体を動かすことが必要になるのです。

考えれば、正解がわかる?
私たちは、これまで「正しい正解」「良い考え」を求められることがほとんどでした。学校で100点をとることが正しく、良いことだと教えられてきました。(特に昭和、平成の時代では)しかし、もしあなたが不安や悩みに陥っているとき、考えても、考えても、わからず、余計に精神的にしんどくなり、なにをしたらいいのかさえわからなくなっているのではないでしょうか?。
それは、私たちの脳の仕組みによります。私たちの脳にとっては、私たちが生きるための生命維持をおこなうことが中心的な活動です。
- 五感の感覚で受け取った情報を神経を使って各臓器に伝達したり
- 暑い時の発汗や寒い時には毛穴や血管を収縮させて身体の熱の放出を防ぐ
- 心拍数をあげて活動にあわせて全身への血流を増やしたり
- 「命が危険だ」と察知したことには、「逃げるか/戦うか」を決めて反応を起こす
など生命を維持するために自律的な膨大な指令を日々行なっています。
そんなに素晴らしい働きをしている脳の機能ですが、ものごとに対して、あるいは何かを考える、などの時には過去の記憶を参照して、「これは重要だ/不要だ」「これは良い/悪い」「これは綺麗/汚い」などの判断をしています。
つまり、もともと、繰り返し体験したり見聞きしたこと、何か花や風景や絵画などをみてきた記憶の蓄積があって、今現在の判断や選択ができるようになっているわけです。
「これが正しい」、「これがいい」ということも、過去の体験、誰かが提示した「正解、良さ」を知っているからこそ、そこに行き着く考え方ができるわけです。そうして、今の考え方、行動の仕方は、単純化してこれまでの体験を参照する(つまり、記憶したことを元にするが前提になっている)のです。
ものごとが思うようにいかない、予想通りにいかない、というのは、「そうした正解がない」「これがいいんだよ」という決まりやこれまでの考え方が、通用しなくなったがゆえです。今のように社会情勢が目まぐるしく変わり、Aiという新しい産業革命並みの技術が現れたりすると、それまでのやり方が通用しなくなる。
文字を表現するのにペンで書く、タイプライター、ワープロ、パソコンへと進化した時、文字の配列打ち方がわからない人は戸惑います。パソコンが当たり前になると、パソコンの起動の仕方やアプリケーションの操作の仕方に戸惑います。
「わからない」という曖昧な状態ゆえに私たちは不安に苛まれます。
悩んだり不安になっている時は、新しい考え方ややり方が必要な時で、それまでの記憶の参照では対処できないからです。だから、私たちが悩みや問題解決で、いつもと同じ考えしかできないのは当然のことといえます。
一方で、悩みや不安に陥る状態は、心理的には危機を感じている状態です。それはまるで暗い森の中にいて、ガサガサと音がして、いつ獣が襲ってくるかわからない状態で、そんな時は、何か問題が起きていても、新しい発想をしようと試みてもできる状態ではありません。
私たちの感情は先でで述べたように、何かに対しての反応として、これまでの体験からの培われたパターンがあります。もしかしたら、小さい時から見てきた周りの大人がしていた、「こういうときは、こういう反応をするものだ」とうようなことを自然と学びとって、誰かと同じような感情の出し方のパターンを持っているかもしれません。
もともと、ネガティヴなことを思い出しやすくなっているのは、また次に同じような嫌なこと、自分が貶められるようなことにならないようにという脳の特性からですが、それを繰り返し思い出すだけで、神経細胞の結びつきが強固になり、ますます嫌な気持ち、不安や恐れが膨張してしまうのです。
しかし脳は柔軟な面も持ち合わせているので、常に上書き可能です。ネガティヴな状態で居続けるのは、うまくいかない状態を不快とは感じず過去の自分のままに居続けることで、安心安全だと感じたいためです。(本当は、それを手放そうと強く意識することで、あなたを不安にさせているネガティヴな状態は解消されません)
その気持ちをポジティブに!と思っても、気持ちから何とかしようとしても、なかなかうまくいくものでもありません。そんな時は、悩みや不安から意識的に離れることができるように、身体をうごかすのです。
身体が動いている時は、【今、その時、目の前】にしか意識が向きません。もちろん、思考が入り込んでしまうこともありますが、料理をしている時、野菜を切っている時、他のことを考えていては、手を切ったり、料理に合う大きさに切ることができなくなります。
それは他の行動でも同じことです。
先で述べた、文字を表現する方式が変わったとしても、キーボードの配列を覚えて指の使い方を実際に動かして文字を打って練習することで、自在に文字を入力することができるのです。そこに戸惑いはありません。

悩みそう、不安を感じたら、まず動こう!それは「できること」への意識転換でもある
問題や悩みに直面したら、不安が起きそうになったら、まずは身体を動かしましょう。
私もかつて、自然食品店の商品部を辞めてから、マクロビオティックの学友とカフェを運営することになりました。
しかしその学友たちと意見が合わず、一人減り、二人減りとなって一人になって、孤独感、手持ちのお金は底をつき、やれこうしたほうがいい、だれかの想念が邪魔をしているなどのアドバイスをうけてもうまくいかない。そんなとき、「ちゃんとお客さんと向き合いなさい」という母の言葉が原点となって、その時できることを始めました。
運営を始めたカフェは、もともと他の人が運営していた空間で、どこか雑然としていました。その空間を変えていくことからスタートして、床を磨いたり、ガラスを拭いたり、入り口に取り付けてあった鏡に黒い紙を黒板のようにして白いマーカーで絵を描いたり、テーブルを新たに購入したりして、自分が落ち着けるような空間に整えていきながら、「この際だから、楽しんでみよう」とスイーツパウンドケーキやタルトを商品開発し始めて、それを提供し始めました。
すると、少しずつですが、お店にお客さんが持ち帰りのパウンドケーキを買って下さったり、数人のランチの予約がきたりと、お客様がリピートで来てくださるようになりました。
契約の関係もあって、そのカフェを続けることはしませんでした。人生でも大変でしんどい体験の一つですが、一方で成功体験の一つでもあります。
悩んだり、不安になったり、どうしたら良いかわからないとき、私たちは思考(考え)や精神力(意志の力)で何とかしようとします。
「それでもわからない、できない」という状況に陥ると、ますます、自分へのダメ出しをし、【できないモードの脳状態】になってしまいます。
すると、前回の、「気分で流されない!最短で成果を上げる優先順位のコツ」で述べたように、「できない」「わからない」「不安」「悩み」を実現するような情報ばかりが目につき、結果として悩みや不安を解決することができません。
その状態を、変化させるのに、ポジティブ思考で!と思っても頭で気持ちを切り替えるのは難しい。
そうした時にまずするべきは、身体を動かすことです。身体を動かしている作業的な動きは「できる」「できている」という意識状態を作り、その間に、悩みや不安を起こした状況からはなれて、思考を整理することができます。
これは何も、私の体験からだけでいうのではありません。NLP心理学では、物事を俯瞰的に捉えることをディソシエイトといいます。
『スマホ脳』『一流の頭脳』最強脳』の著者で、スウェーデンのカロリンスカ医科大学で医学を学んだ精神科医アンデシュ・ハンセン氏が『ストレス脳』(新潮新書)の中でも伝えられている通り、定期的な運動をすると、ストレス反応である身体のHPA系の活動が落ち着いてき、自分で自分のストレス反応をコントロールする能力もアップする訳です。
ここで大切なのは、息が切れるほどの、筋肉痛を感じるほどの激しい運動というのではなく、(そうすると運動自体がストレス反応の元となってしまう)【身体を動かす】ということが大切であり、身体を健康な状態にすることでもあります。そのためには、睡眠も、食事も、大切です。
つまり先で述べたように、日常生活の中で、あるいは、仕事の面での悩みであれば職場の中で環境を整えるような、身体的な動きをしてみることが、一番の解決策になるということです。
考えること、思考することは、悪いことではありません。しかし、思考のプロセスや方法を考えすぎて、悩みの沼にハマり込む前に、まずは身体を動かすこと。それを意識してみてください。
