2023年の記録的な猛暑から数年、2026年の今、5月だというのに夏日が続出したり、ここ最近は雨が少なかったりと、私たちはさらに予測不能な気候や環境の変化の中にいます。
便利なツールやAIが溢れ、「ボタン一つで環境が整う」ことが当たり前になった現代、私たちは大切なことを忘れてはいないでしょうか?。それは、「自分自身の感覚を使い、自ら動くことで得られる快適さ」です。
周りの環境や他人が自分の思い通りにならないとき、私たちはつい「外側」を変えようと躍起になります。しかし、その執着が、実はあなたを不自由にし、疲弊させている原因かもしれません。
今回は、これからくる夏場、特に猛暑の乗り切り方を通して、人生全般における「主体性」と「五感の活用」について紐解いていきます。
自分は動かず、外側を動かそうとするほどうまくかない理由
猛暑体験から学ぶ「自分を調律する」という知恵
すこしずつ、夏の訪れを感じ始めてきました。
2026年は2月23日に全国各地で夏日がすでにありました。4月11日そして5月に入ってからも、さらに夏日が続出しています。春、梅雨を通り越して季節がわからなくなってきそうです。そんななか、エアコン2027年問題も浮上しています。
エアコン2027年問題とは:
家庭用エアコンに適応される省エネ基準が大きく厳格化され、基準を見たないエアコンの製造販売ができなくなる。そのため、低価格な普及型のエアコンの多くが製造販売できなくなりメーカーは基準を満たすための高性能化にシフトしていくいつように迫られ、本体価格の上昇、安価な商品が減ることが懸念されている問題のことです。
猛暑日が当たり前のようになり、一年の中で6月〜9月の約4ヶ月間、日常的に暑い日が続くようになってきました。そんな中で、熱中症対策にエアコンの設置の必要性が叫ばれるようになりました。とくに年配の方は年齢的にも温度管理や体温の変化を実感しにくくなるにもかかわらず、電気代をもったいながってエアコンをつけない人も多いですが、実のところ、エアコンだけで涼しさや体温調節するのにも限界があるのは事実です。
スマート家電が自動で温度調整してくれる時代では、自分で温度を調整する能力・汗をかいて体温調節する機能が働かなくなり、「汗をかかない」という人も増えているといいます。あるいは、年配の人のように、気温が高いにもかかわらず、長袖やダウンジャケットを着て適切な衣類で体温をコントロールする機能が働かなくなってしまう人もいます。
自分の感覚を基にして、「今自分は暑いのか/涼しいのか/寒いのか」がわからない、「それを快適なのか/不快なのか」がわからなくなる。これは、自分の今の身体的な感情的な状況がわからないことを意味します。私たちは外側の状況を感じ取るのと同時に、自分の内側で起きていることを感じ取ることができる能力を持っていますが、それに気かないままになっていないでしょうか?。
身体の奥から発せられる感覚
- なんとなく、モヤモヤする、う〜ん、という言葉にはできない感
- 体温の変化、肩や首筋が重い感じ、胸が詰まる、胸の辺りがキュッとなる などの身体的な違和感
という身体が発する感覚・フェルトセンスを高めることが、これからの変化の時代には、重要です。温度を感じ取ることのように、時代の変化風の流れを感じることが変化に対して対応することにつながるからです。
フェルトセンス(Felt Sense)とは
心理療法「フォーカシング」の創始者ユージン・ジェンドリンが提唱した概念です。言葉になる前の、身体で感じる「漠然とした微かな感覚」を指します。胸のつかえ、胃やお腹の辺りに感じるモヤモヤ、頭の重さなど、体で感じる感覚/「なんとなく」という表現でしか言い表せない予感的な感覚/喉まで出かかっているがうまく言葉にできない感覚/など身体が発する声や意識のこと。

マクロビオティックが教える「食と行動」の自律
実家での私の部屋は2Fの北向きで西陽が入るのもあって高温多湿なので、夏場はほとんど1Fの居間にパソコンを持ち込み、そこで仕事の作業をしています。我が家は少しながら庭に樹木やグリーンもあり、昔ながらの木造建築なので、夏の季節、1Fは割と涼しく過ごせます。(さすがに夕方にはエアコンつけますが)
家で作業の時もできるだけエアコンはつけず、パソコンが高温になりそうな時は流石に、パソコンのために涼しくします。身体のためにというもありますが、それで過ごせているから・・とういうのもあります。流石に34、35、度ともなると、部屋にいてもじわりじわりと汗をかき、外出から帰ってくるとさらにぶわっと汗が吹き出すため、エアコンをつけておきシャワーを浴びます。汗をかいたままのぐしゃぐしゃをそのままにしておくのは不快ですし、夕食時につけるエアコンでそのままだと汗が冷えてしまうので。
猛暑日が続くと連日TVのニュースで注意喚起されているように「こまめな水分補給、無理せずエアコンを使う」熱中症対策が必要、という。もちろんそれは、油断できないということはありますが、それ以前に自分でできることをするという意識も必要なのではないでしょうか?。
自然哲学であるマクロビオティックの考えの中には、「自分の状況・状態を良くしたいのなら、食べるものを変え、自分自身の振る舞い、行動を変える」というものがあります。
例えば暑い時、現代社会では、すぐにエアコンをつけることで環境を変えようとしますが、それは、自分の周りばかりを変えよう、変えようとして、自分自身を変えること自分でできることをしないのと同じことです。しかしながら、自分自身の暑さも不快感も、自分自身から変えない限りえんえんとその不快感は追ってきます。その知恵はマクロビオティックの考え方に限ったことではありません。自然や地域の中に根付いていることも多いのです。
暑い地域、インドや中東などで砂糖の多く入った甘いミントティーやチャイが飲まれるのは、砂糖をつかって身体を緩めることで、熱を溜め込まない様にするためです。(その習慣のあるインドの方がアメリカなどに渡ると、これまでの食習慣を続けてしまい、その土地の気候と噛み合わず体調を崩したりすることが多く見られるとか)日本でも九州の醤油が甘いのも、麦を使った味噌を使っているもの同じ理由で暑い土地ならではの郷土食と言えます。逆に東北地方では、塩気が多く身体を締めて熱を出さない様にするのです。
野菜を小さく細かく切ることで、熱がすぐに入りサッと炒めたり蒸したり、揚げたりという調理法を使うことで、熱のこもらない食事を作ることもできます。冷しゃぶや冷たいスープもこの時期ならばとても美味しくいただけます。
以前はあまり好まなかったスイカも、この季節にはとても向いていて、朝のおめざに時々食べます。今ではあまり聞かれなくなった夏の風鈴の音も、あの音によって涼しさを感じ取ることで感覚を涼しいものにする、夏の工夫の一つです。
「エアコンを使うな」というのではありませんが、今では、保冷剤や濡らして首を冷やすタオル、サラッと汗を放出するAirRism、涼しい触感のあるNクール寝具、など涼しく過ごすツールも方法も今ではたくさんあります。
そうした、自分自身から外側の環境の変化、不快感を変えていくことにもいしきをむけて、取り入れていくことが必要なのではないでしょうか?
「環境を冷やす(エアコン)」という受動的な解決策だけでなく、「自分の内側を調える(食事・衣類)」という能動的な解決策を持つことは、あなた自身が「なにが快適か?」という五感の感覚に基づくものになり、精神的な回復力(レジリエンス)を得ることに繋がるのです。

人間関係の「不快」も、エアコンの温度設定と同じ
しかしほとんどの人は、自分自身が動かせる他に涼しくなる方法があってもそこに意識は向きません。
暑ければ【冷房を使えばいい】ということをしがちです。しかしながら、その周りの影響を考えずに多用することで、今の様に暑い夏は生まれます。エアコンのほとんどは室内の暖かい空気を外に出してそれが環境の温室化を産んでいるという一面があります。
同様に人は、自分がうまくいかないことに対して他人に要求ばかりしがちです。
以前学んだNLPスクールで学んでいたとき、講師の動きやすい適温、受講生が意識を集中しやすいように、室温が低め設定でした。夏でも涼しいくらいで22〜23度。そのことを理解している人は、自分で対策をしてショールやカーディガンなど羽織るモノを用意していますが、中には、何度もそこに参加し室温が低いことを知っているにも関わらず、いつも「寒い」と文句を言い、「室温寒いんで上げてもらえませんか」という要求をしてきます。もちろん声をあげるなというのではありません。周りを変えるためには声を上げることはとても重要です。
しかし、この場合どうでしょうか?。しっかりとした意図のあるなかで行われていることを変えようとするより、自分自身が変わることのほうが自分が快適でいられるのです。
- 自分でできる対策もせず
- 他人に文句ばかりをいい
- 他人を変えようとばかりする
まずは、その不快な状況の中で他者を変えるのではなく、あなたが「できること」を「あなたが行う」に意識チェンジした方がいいと思いませんか?。それは、室温やエアコンに限ったことではありません。
人間関係で悩んでいる人の多くは
- 相手が動いていくれること
- 相手が変わってくれることを
何もせずに(時に何も言わずに)、自分の思う様に動いてくれることを望みます。その前に、状況を通して自分が何ができるのか、何を変えたいと思うのか、それをまずしてからなのです。
自分が動いて、初めて他者が動くのです。
他者が動いてくれるのを待っているだけでは、根本となっている原因はいつまで立っても解決しません。
自分が暑いのなら、自分が涼しくなるように、まず、自分のできる対処する。「相手が変わるべきだ」という正論に閉じこもるよりも、自分が一枚上着を着る方が、0.1秒で解決します。この「自分ができる最速の対処」を放棄していないでしょうか?。
あなたの周りの問題を、あなた自身ができることをせず、他者任せにしているうちは何も望むようにはなりません。それだけは確かです。

他者を動かそうとするほど、自由は遠のく
ここまでお伝えしたことは、なにも「暑さを我慢しろ」「自分の不快感をないものにしろ」というのではありません。
あなた自身の身体や感情の不快感の状態を知っているにも関わらず、「自分以外の何かをどうにかすることでしか手立てがない」と考えいないか?、自分自身ができる対策を見直すことも必要ではありませんか?ということです。
人間関係や仕事の調整、家の中の出来事、新しい何かを始めるときなど、全てにおいて共通することで、私たちは、【自分以外の人を動かそうとすることでしか変わることができない】と考えがちです。
それは、逆の意味では、“他者が何か動くまで、他者の働きかけが起きるまで、自分には変化が起きない、自分の望む状態は得られない”と思っていることを示しています。
- 自分は何もせずに、他者が自分の思う通りに動いてくれることを期待する
- 自分は何もしようとせず、他者が自分の望むように動いてくれることにばかり意識を向ける
「自分は動かず、他をどうにかしようとする」心理が、いかにあなたの人生のエネルギーを奪っているか、「あなた自身が動かずに自分の人生のハンドルを誰かに渡している」とうことと同じです。
自分自身が望んでいることに対して、今の自分でできることを、働きかけていますか?。
あなたが暑い時、自分がどの状態か(汗をかいている、暑くてぼうっとしている、疲れている、体が自由に動けている、)快不快を感じ取っていますか?。
そうした自分の感覚以外の何かに、動かされていませんか?。
相手の言動に一喜一憂して、あなた自身の反応を決めていませんか?
自分は動かず、他をどうにかしようとしている限りその物事はうまくいきません。
それでは、いつまで経ってもあなた自身を快適には(理想を達成させることは)できません。
まとめ
「自分が動くことで、世界(の見え方)が変わる」これは、暑さ対策という日常の小さなアクションから始まります。
今日、あなたが感じているその「不快」に対して、他人を待たずに自分からできる「小さな一歩」は何ですか?。五感を研ぎ澄まし、自分自身の手で心地よさを創り出す喜びを、もう一度思い出してみましょう。
