こんな方におすすめ
- 選択肢を広げることが大切とわかっても、選択することに悩む方す
- 選択肢を広げても、選べないと感じる方
- いつも自分のやることに、悩んでしまう方
- もっとうまく、選択をしたいと思っている方
前々回、“可能性を広げるために選択肢を広げる” ということを取り上げました。
選択肢を広げたあとは、その中から、自分の望んでいることに相応しいものを「選ぶ」ということが必要になってきます。
しかし私たちが何かを選択するとき、
- 何か強い目的があって“選択する”こともあれば、
- なんとなく「こうしよう」という、“曖昧な気持ちで選択する”こともあれば
- 自動的に選択したり勢いで決めて、それを行なった後に“悔やむ選択”もあれば
- 周りの人の意見や考えに押されて、その人に合わせて自分の想いとは違う選択をする
ということもあります。
そして、選択は、人生そのものの質にも影響する。
人生を黄金にするのか
人生を泥炭にするのか
もちろん、誰の人生も、偉大な仕事を残した偉人であっても、人生の中では輝かしい時もあれば、暗い森の中をさまよっている時もあります。
だからこそ、選択に悩む
だからこそ、人生をより良いものにしていきたいと願うとき、
- 自分自身について深く知り
- どのような選択であれば、自分が望む方向に行くのか?を考え、
- どうすれば自分が納得する選択ができるのか
を、知る必要があるのです。
けれど、それでも、人は選択で悩んでしまうのもまた事実。(これも前回の『変化の時代に可能性を広げる、人生の選択肢を広げるレッスン』で取り上げています。
そしていつも同じ選択をしてしまって、同じ失敗をしてしまうこともあるでしょう。
それはなぜか?それもまた、人が持つ脳の仕組みから起こりうることです。
選択肢を広げたあと、それを選び、決断する、そして行動する上での、ポイントを脳科学的な観点からお伝えします。
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変化の時代に可能性を広げる、人生の選択肢を広げるレッスン
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選び、決断する、行動する上で知っておくべきこと
慣れている選択、新しい選択を区別する
私たちは、日常の中の些細なことから、人生に関わる大きな出来事に対してまで、常に何らかの選択をしています。
- 朝目覚めて布団から出ようか/でるまいか
- いつもの電車に乗り遅れそうで、走るか/早歩きにするか
- 昼食に何を食べようか
- 頼まれた資料のコピーを、今やろうか/やるまいか
- 喉が痛いから早退けするか/するまいか
- 新しく始まったドラマを見ようか/見るまいか
など常に、二者択一の選択を繰り広げています。
そうした日常の中での選択は、ほとんどの場合無意識的で、あなたのこれまでの【体験のパターン(記憶)】や、あなたが感じる【快/不快】、【好き/嫌い】、を基準にして、過去と同じものを選択していることがほとんどです。
- 一度美味しいと感じたパンを、いつも購入している
- これが安心で美味しいと決めた、調味料をいつも買っている
- 歯磨きは、食後に一日3回している
- 朝は、起きたらストレッチをすることに決めている
- コピーは、油断すると混むから、空いているスキに行おう
- 喉が痛いと、すぐに熱が高くなるから、早退けしよう
など、私たちは日常のことは、自分なりの判断基準を基にして自分の行動の選択をしています。
そうした日常のほとんどの選択は、繰り返し行われるものとして、ほとんどの場合無意識的にパターン化されています。
マサチューセッツ工科大学の実験では、人の行動の9割は意志とは無関係の、自動的な反応として習慣化されている”ことがわかっています。
つまり、行動を起こすその選択でさえ、無意識的で自動的なパターンとして行われているわけです。
私たちが、「選択肢を広げる必要があるような、何かの選択に迫られている」ときというのは、これまで体験のない出来事に対してです。
そうしたときには、日常の選択とは違う、別の基準が必要になることが多いのにも関わらず、人は日常の選択と得てして同じ基準で選択しようとします。
もちろんあなたの中にある【快不快】、【好き嫌い】はとても重要な基準として大切ですが、それを超えて、「その選択をすることで何を得たいのか」、「どのような状態であることがベストなのか」ということを前提に置き、いつも以外の選択肢を広げようとするときには、それらを超えて広げる必要があります。なぜなら、これまで体験したことのないことというのは、これまでとは違う出来事との遭遇だからです。
そして、これまで以上に、あなたが普段、五感の感覚からどのような情報を取り入れているのかを意識することです。
私たちが、自分の外側の世界の出来事から情報を入手するセンサーは、人が誰しも持っている五感の感覚が担っているからです。
あなたが、これまで体験したこと(と同時に、五感でなにを感じとっているかを体験していること)をもとに、物事に対しての捉え方のフィルターをプログラムとして作り上げ、自分自身にとっての【快/不快】、【好き/嫌い】、【安全か/危険か】を決めています。
そうしたいくつもの無意識的なプロセスの元に、私たちは自分の外側の世界と対峙し、選択をしています。
選択肢を広げる
それを、あなたの中で自由にできるようにするには、日常の中の【慣れている選択】であっても、ときには【新しい選択】を取り入れてみることです。
新しい選択をしうよう!を、些細なことでも日常の中に取り入れてみることです。
- 当たり前にしてきた何かを、やめてみる
- 違う何かを、新しいものとして取り入れてみる
そうした日常の中でも、選択肢を広げる訓練をすることができるのです。
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自分自身のことにどれだけフォーカス(意識を集中)するかで、【人生の達成度】が変わる
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いつも同じことをしてしまう、脳の仕組みがある
物事に対しての捉え方のフィルターをプログラムとして作り上げるのは、脳の機能によるものです。
私たちは、生きているだけで、常に外側の世界から五感を通して情報を受け取り、それを感覚器官や感覚神経で処理をしながら神経から脳へと伝達して、その情報に対しての反応を脳からの指令で決めていいます。
しかしそうした目にした、耳した、触れた、などの情報全てを、脳で認識しているわけではありません。
実のところ、私たちが自分に必要なことであってもその情報を受け取らない・認識しない仕組みが脳には存在します。
五感の感覚機能から神経を使って脳に伝え、それに対しての反応をする処理をするエネルギーは膨大なもので、一説では全ての情報を処理するには、原発一基分ほどのエネルギーが必要だと言われているとかいないとか。
私たち人間は、常に五感を通して情報をキャッチしていますが、その量は膨大で毎秒40億ビットの情報に触れていると言われていますが、全ての情報を処理しようとすると、膨大なエネルギーが必要になり、いざという時、新しいことをしようとする時に必要なエネルギーを補えなくなる。そのため、脳は五感から受け取った情報に対してフィルターをかけ、選別しているのです。
その仕組みとは、脳の部位・脳幹にあるRAS・Reticular Activating System(網様体賦活系)のことで、五感の感覚から受け取った情報を選別して“なにを認識するのか”“しないのか”のフィルターの役割をしています。
RAS・Reticular Activating System(網様体賦活系)のフィルターにはいくつかの基準があり、
- 重要だと感じたこと(価値観)
- 繰り返し見たり聞いたりし体験したこと
- 思い込み(信じていること)
を基準にして、それに準じたことだけを脳に伝達します。
本人が気づかないうちに過去の体験から構築したこれらの心理的なフィルターをもとに、それ以外のことは「要らない」「必要ない」として脳に伝達しないのです。
つまりこれは、理想を叶えるために本来ならば選択肢を広げようとしても、自分が大切だと感じていること、信じていること以外の別の情報が必要だとしても、それを目にしていたとしても「大切じゃない、信じていることじゃないからいらない」としてスルーしてしまうのです。
つまり、私たちの脳は、
見たり
聞いたり
触れたり
味わったり
香りを感じたり
という五感で何かを捉えていたとしても、【認識しない】(「そうなんだ!」と捉えない)のです。
この脳のRASの働きは、情報の選択をしていると言えます。
この制約のあるフィルターを通過させる、フィルターゲートを開く一番のスイッチは「あなたが望んでいること」。それも強く実感した「望み」です。
だからこそ「選択肢を広げる」という時には、「自分はどうしたいのか」「自分は周りの出来事にどう感じているのか」、「なにをどう捉えているのか?」など感覚や感情に対して意識的に向き合う必要があるのです。
得てして人は、
- 自分のこれまでの視点でしかものを選んだり、見たり ということをしがちです。
- 得てして人は、 慣れたこと、過去にしたこと同じ選択をしがちです。
選択肢を広げるには、あなた自身が本当に望んでいることを強く認識していくことが大切なのは、そうした意味があるからです。
それでも人が、選択に悩む理由
私たちが、選択を悩むときというは、
- 自分がどうしたいのかの曖昧さ(目的の曖昧さ)
- 自分にとっての価値観、重要なのはなにかの曖昧さ(価値観の曖昧さ)
- 何のためのいつのための選択か(時間軸の曖昧さ)
- 自分がどう感じるのか快不快(自分の感覚の曖昧さ)
- 情報の不足
からです。
そうした基準がないために(曖昧なために)、選択肢を絞り込めないから、悩むのです。
人生の中で、重要なこと
- 仕事や生きがい
- お金に絡むこと
- 結婚や人間関係
- 生き死にに関係する病気の治療
ほど、選択に悩みます。
- そうした時ほど、上記の曖昧さを、自分の中で明確にしていく。
- 「〜するべき」というビリーフで考えていないか、自分の思考を見つめ直す。
こうした、あなたの中に気づいていない、自分の意識、脳のプログラムがないか?を感じ取る
ことです。そうしていく中、自分自身にとって必要な選択、決断を行うことができるのです。
選択の悩みから抜け出るには、一旦コレと決めたら、それを行う
選択肢を広げ、その中から選択し、決断したら、あとはそのことに対して行動するだけです。
行動して、「それが正しかった」と実感するには時間のかかることもあるし、行動して、「それが自分にとってふさわしい」と実感するには、修練も必要です。
人は、「他にまだ別の選択がある」、「別の可能性があるかもしれない」と思うとから、迷うのです。
ことに、上記でのべた人生で重要な項目に関することほど、迷うものです。
- やり始めて、自分のなかでしっくりとこないようになると、「このままでいいのだろうか?」と悩む。
- それよりは、「なにか新しいことを選択した方がいいのではないか?」と悩む
ですが、一旦行動したこと、それを自分のものにしたスキル(知識や経験)を考えてみてください。
ですが、それに対して、払った対価を考えてみてください
ですが、そこまでかかった、時間を感がてみてください。
新しい選択は、また一からスキル(知識や景観)、対価(お金)、時間 がかかることを考えたことがあるでしょうか?。
一旦選択したら、それを行っている間、迷いが生じたら、そのことを考えてみる必要があります。
私自身、父が亡くなってからいっとき、これまで積み上げてきた仕事があるにも関わらずそれをすることへの意欲を失いかけていました。「他の何か別のことがあるのでは?」と他のなにかを探そうと仕掛けました。(一瞬ではありますが)
新しいことを始めるのは、続けることよりも楽なんです。
新しいことにふれると、脳の神経伝達物質ドーパミンも分泌されモチベーションも高まり、楽しい気持ちも湧いてきやすいから。
そうした中、NLPのテキストやスクリプトを見直し、2020年のコロナ禍に発案した「憧れセミナー」「一年のテーマ設定セミナー」などを作りながら、精神的な疲れ、身体的な疲れを癒やす時間を送っていく中で、また意欲が戻ってきました。
人は、精神的に疲れていたり、身体的な疲労感がある時には、物事に対して意欲的にはなれません。身体の状態は精神にも関連して考え方や感情にも作用するからです。
- うまくいかない
- 何だかモヤる
- やる気が出ない
などを感じたら、一旦休むことも必要です。
特に、仕事や生きがい、あるいは人間関係においても、人生の長い期間をかけるような問題には、そのことでで追い詰められてしまう前に、精神的にも身体的にも休むことが大切です。
また、何か始めたら最初は上手くできないことも、上手くいかないこともあります。
慣れていなければ当然のことです。
二輪車を乗り始めた時のことを考えてみてください。補助輪がなくなって二つの車輪の自転車は、慣れないうちはゆらゆらと揺れて上手く乗りこなせません。
ここで、転ぶかもしれないからやめようか
何かにぶつかりそうになるから怖い
として、
【やめてしまうか/続けるか】を選択する
続けた人は、乗れることへの希望や走れた時の爽快感を実感しながら、何度か乗っているうちに、ペダルを漕ぐ力と速さ、そして身体のバランスの取り方が人に教わるでもなく感じ取って、乗りこなせるようになり、自転車を乗りこなせるようになることで、遠くの場所に行くことができて、違う景色を見ることもできるのを想像しているかもしれません。
選択したことを続けることの意味は、「さらに選択肢を広げることができる」ということです。
一旦やると決めたことは、それをまずやってみる
私自身もこのことは、ものすごく実感することで、昨年末からこのサイト以外にもう一つ別のサイトを作り込むのに、新しい仕様とテーマで行っていますが、慣れないせいか画像一つ入れ込むのでもうまくいかない。
それで、別のテーマでやろうか?とも考えたりしつつも、時間のある時に、少しずつその仕様をいじり、ここ最近になって「ようやく慣れてきた」と思えるようになりました。
うまくできなかったことが一つ一つできるようになる。
それは、達成感を感じるプロセスです。
私たちの脳は、繰り返しみたり聞いたり、触れたり、やってみることで神経の結びつきが強くなり、そうして初めて学習し認知する(わかる)ようになるのです。
選択肢を広げた後、選択する、行動する
それらには、私たちの脳の機能、五感の感覚が関わっているのです。