こんな方におすすめ
- いつも時間やお金に余裕がないと感じる方
- 慌ただしい毎日にバタバタしている方
- やらなければいけないことがあるのに、なかなか動き出せない方
- 人間関係に気疲れしやすい方
- 健康状態や日々の食生活に不安を感じている方
あなたは、バッファ(バッファー)を意識して過ごしていますか?
Buffer(バッファ/バッファー)とは
緩衝材、緩衝器を意味する英語です。つまり、私たちに馴染みのある【プチプチシート】のこと。
元々は、iT業界で使われていたビジネス用語で、Wikipediaによると、記憶単位間のデーター転送において、一時的にデーターを記憶するると二つの記憶単位が同期されなかったり、それぞれの処理速度が異なる場合によく用いる。
とあります。これは、パソコンであるファイルを開いてそれに書き込みをしていながら、クラウドで保存しているそのファイルを別のパソコンで開いで文字を入力し始めると、どちらのファイルの情報を優先したら良いかわからなくなり、パソコンがどちらのファイルを残しますか?という表示が出てくることがあります。
そうしたクラウド上のデーター処理、私も何度か経験があります。
何が重要か、どちらを優先させるが、がはっきりとわからない時、どちらも一応保存しておいて、「どっちが重要か?」を選択をできるような現象。
バッファは、ビジネスシーンでもよく使われるようになり、
ビジネスシーンでのBuffer(バッファ/バッファー)は、
「余裕」「ゆとり」を意味し予算、日程、計画、物品、人材、資料や知識、など、イザというときに備えておく何か、不測の事態/予測しうるリスク、に対して備えることです。
しかし、バッファの必要性は、なにもビジネスの世界だけではありません。
- 余裕を持つ
- 不測の事態に備える
- 予測しうる事態に備える
ということは、
賢く人生を運営する上では欠かせない考え方です。
自分を追い込つめることなく、自在に人生を生きる上では緩衝が必要です。
人生の中で、適切にバッファ(緩衝)を取り入れることを意識するだけで、人生の中でスムーズに運ぶことも多いのです。
バッファ(緩衝)を取り入れる人生のメリットとは?
バッファ(緩衝)を設定しないとどうなるか
人生の中で、個人レベルでバッファを意識するというのは、どのようなことか?
それは、
- あなたの生活の仕方
- あなたの時間の使い方
- あなたのお金の使い方
- あなたの健康に対すること
- あなたの人間関係での態度
- あなたの心の状態
という生きていく上で、必須となる項目に対して緩衝を設けることです。余裕や準備をすることです。
実は、すでにこのバッファを意識的に行っていることもあれば、意識せずにうまくいかない状態を作り出していることもあります。
例えば、私たちがよくしている、バッファを考えてみましょう。
“明日は大型台風が来る。大雪が降る という天気予報が出ると、その日は午前中からスーパーに買い出しに出る人が多く見られます。
雨や雪で買い物に出られない、出たくない、ときに数日分の食料を確保しておこうという余裕を得たい思いからです。
こうした意識こそ、バッファをうまく使っている例です。
高齢者がタンス預金や貯蓄をしている割合の多いのは、戦争や不況を体験したことを通して、予測不能な事態においても生き延びる上で、お金が欠かせないということを知っているからです。太平洋戦争後は多くの債権や手形が紙くず同然となった経験があるからです。
私自身がバッファを意識しているのは、年末年始分のの生活費の用意です。
12月25日過ぎると月末の支払いと年始に銀行が閉まることで、銀行のATMが混むのはわかりきっているので、12月15日くらいまでには、1月分の生活費を引き出して両替をしています。ただでさえやることの多い年末に時間をかけてATMに並ぶことは、時間のロスに過ぎないし、毎年のことでこれもわかりきっていることに対する備えです。
その際には、年末年始にお金が
- 何に対して
- どれくらいかかるのか
をこれまでの過去の体験から割り出し、これくらい必要になりそうだという予測を立てたりもします。このことは、時間を有効に使うためのバッファでもあり、お金に関してのバッファでもあります。
いつも何かに追われて、バタバタとした対処の仕方、仕事の仕方をしていると、常に時間が足りなくなり、納得できる内容や質とはほ遠いものになり、果てはその仕事での評価が下がることさえあります。受け取る利益も少なくなることさえあります。
余裕のなさという心の状態が、焦りを生み、ものごとを自分の理想の状態から、遠ざけてしまう。
今でこそ、早起きの習慣がある私ですが、以前は9時、8時に現場に到着しなければならないというときには、
- 逆算して起床時間を決め
- 朝食、身支度、家を出る時間を決め
- 鉄道の時刻表をチェックしておく
ということをしておきました。自宅から2時間半〜3時間はかかる現場に行く時もあって、それでも鉄道での遅延や不測の事態が発生してしまい、ギリギリの到着になることもありました。
何かのイベントで人と一緒に行動するとき、集合時間にいつもギリギリで時間に遅れてばかりだと、その次の行動に対して支障をきたすばかりか、本人位とっても信用を失いかねない。一度や二度ならまだしもギリギリで行動しがちな人は、なにかとそのことに対して言い訳をしがちで信用さえも失うことさえあるでしょう。
緩衝としてのバッファは、二つのものがぶつからないようにするためのもの。プチプチは物を発送するときには衝撃を防いで破損を防ぐことに多く使われます。最近では窓に張って外気から伝わる寒さを遮断して防寒シートとしても使われます。
つまり、バッファを意識しないままで、成り行き任せでものごとを行なっていると、破損、トラブルを招くのです。
生活にも、時間にも、お金、健康、人間関係においても、ぶつかり合い/トラブル/成果の低さ/病気 などを招くことにつながります。
“生きているのに、モノの値段が高くて、給料も上がらなくて、余裕なんてない”と思うかもしれません。
しかし、余裕がないと思うからこそ、余裕を作るために、バッファを意識的に人生の中で取り入れるべきで、
そうでなければ、いつまで経っても本当の意味で、
- 余裕の人生を送ることはできません。
- 満足できる生き方をすることはできません。
バッファを設定できる人、バッファを設定でできない人の違い
- バッファを設定できる人、設定しようという人は
物事に対して冷静に、あるいは、ときに、物事に対して悲観的に捉えられるからです。
冷静さや悲観的は、ネガティブに捉えらえれてしまいがちですが、いい一面でみると、冷静さや悲観的は、心の用心を生み出します。細かなところに意識が向き、「もしも」の時を考えます。
- 車の運転でも、用心深さで慎重に周りを見て車間距離をとりながら運転する
- 初めて行く場所は、到着時間を早めに設定して、道順をチェックしながらその場所に行く
- まとまったお金が入ってきた時も、ぱ〜っと使うことなく、いざという時のために温存する
- 初めて行うセミナーやセッションに対して、準備の時間を多めに取る
など
心の用心があることで、余裕やゆとりを生むのです。そうしたことは周りにいる人にも伝播しその環境その場にゆったりとした空気感をもたらします。
対して、
- バッファーを設定できない、設定しようとしない人は、
物事は、ポジティブシンキングでいればうまくいくとして、周りの状況や条件を、自分の都合のいいように解釈する。
それは希望的観測に基づいて生きていることです。
準備も用心もせずに、その場任せなところがあり、細かいことに意識がいかない。
- 「あと1ヶ月、お金が持つだろう」
- 「あと、五分で着くはずだ」
- 「これなら、1日で終わらせられるかも」
- 「集中すれば、時間がからず全てできるはず」
というように、
だろう、はず、かも、
という曖昧さ、希望的観測が、判断基準になっているのです。
すると、
- 時間や作業量、お金の見積もりが甘く、なんとなく、で済ませてしまう
- 人に対しても、「そう言っていたから大丈夫だ」と安心してしまったりする
- こんな感じで、“ざっくり”で資料を作り、見直さない
- 駅まで早足で行けば、10分で着くからといつもの靴で出かける
すると、
- 思っていた以上に時間がかかったり
- 足りると思っていたお金が足りなくなって、生活に窮したり
- 人を信用して(保証人になったりして)、騙されてしまう。
- 細かない点が抜けて、必要な情報が明記されていない
- 靴の踵がぐらぐらしていたのに気が付かず、思うように早足できず電車に乗り遅れる
など
ということも起こりえます。
結果、
いつも時間やお金に追われていたり、あるいは、物事の対処になかなか取り組まず、ギリギリになるまでどうにかしようともせず、土壇場になってようやくどうにかしなきゃと動き始める。
どんどん終了予定が遅くなり、慌てて行うことで、完成度の低いいできになったりしてしまう。
もちろんそれで、うまく行くこともありますが、それは周りの条件や状況や環境が、かなり恵まれたときに起こりうることです。
つまり、見積もりが甘いのです。
甘すぎる予測、見積もりをどうしたらいいのか?
しかし、そうした見積もりの甘さは、誰でも何かしらのことにしてしまっていることです。
誰もが、正しいことばかりに(正しいと思うことに)人生を振り分けているわけではなく、ときには、遠回りしたり、無駄だとは感じずに「楽しそう」「充実しそう」という希望的な想いで、物事を判断して行なっていることもあります。
私自身も、NLPマスタープラクティショナーコースで毎回セミナーの最初に行う、二人ペアのコーチングで、
「その結果をいつ、どこで作るか」という質問に
- 今年の10月まで
- 来年の3月まで
- 2016年9月まで
- 2016年10月まで
などと言って、甘い見積もりをしてしまっていました。
小学生の頃は、夏休みの宿題や自由研究を、あわてて1週間、あるいは、3〜四日であわてておわらせて〜ということもたびたび。
私たちは、やらなきゃ行けないことでも、いざやってみると、いざ行ってってみると
- 時間がかかって間に合わなくなること
- お金が思っていたより無くなること
- 精神的に追い込まれてしまうこと
- 健康の不調をきたすこと
- 人間関係を損なうこと
などを、してしまう経験は誰にでもあることです。
そうした時ほど、バッファ(緩衝)となる、
- 間、時間
- 予備的なお金、お金の振り分け
- 心の余裕
- 休息やリラックス
- 距離感や接し方
などが必要になるのです。これらは、小さな余裕、些細な量、短い期間や距離、で対処の積み重ねです。もちろん、時には大きな余裕、大きな量、長さ、が必要となることもあります。
大きな船や飛行機は、急にすぐに方向転換はできません、直角に角度を曲がろうとすれば水の圧力や空気の気圧で、船体や機体に亀裂が入ることさえあります。だから大回りで方向転換する。
一方で小さな筐体の自動車は、右折左折するのにも、直角に方向転換できます。それでも速度を落としギアをチェンジしてという間があるからこそ方向転換できるわけで、それは人間も同じです。バッファ(緩衝)を設けることで、望む方向に進めるということを、まずは認識することです。
計画錯誤(プランニングファラシー)とバッファ(緩衝)の違い
私たちは、何かを計画したとしても、こうなりたいとうことがあっても、予想していたよりも時間がかかるものです。
特に
- 自分がこれまで経験のない初めて行うこと
- 自分が思考やアイデアを出して、それを形にすること
- ある状態や行動から長く離れていて、それを再開させること
という時ほど、時間がかかります。
人は、何かを計画したり、願望を叶えたいと思い始めると
- すぐに理想の結果が出ることを期待したり
- すぐに望めば、思考やアイデアが浮かんでくる
- すぐに、元の状態や行動ができることを望んだり
ということをしがちです。
これは、楽観バイアス(自分や自分自身の周りでは、ネガティブな経験をする可能性は低いという思い込み)によって引き起こされる計画錯誤(Planning Fallacy)です。
計画錯誤(Planning Fallacy)とは:
1979年に心理学者で行動経済学であるダニエル・カーネマンが提唱した概念で「あらゆる計画は所要時間や予算を甘く見積もって計画してしまうがために失敗する」とい う意味の言葉で、作業や予算、労力などに対する見積もりを実際かかるよりも、安く、短く、考えてしまう傾向のこと。以前に経験したことであっても、いざ取り掛かるとなぜか、実際よりも甘く見積もってしまうことを意味します。
ある実験でも検証されていて
37人の学生に卒業論文の執筆に、何日かかるか?」という質問をする。
その回答は、
「すべてがうまく行った場合」の見込みは、平均で27.4日間
「何もかもうまくいかなかった場合」の見込みは、平均で48.6日間
ところが、実際に執筆にかかった平均時間は55.5日間という。これは「何もかもうくいかなかった」見込みを遥かに超え結果となった。
当初の予想した回答した時間以内で卒論を終えられた学生は、たったの3割だった。かれらは、この計画錯誤(Planning Fallacy)のことも理解している人たちで、それでも自分自身が課題や成果を上げることになると、見積もりを甘くみてしまっていた。
という実験結果から証明されています。
私たちは、何かに取り組もうという前向きなポジティブな思考になる時ほど、こうした計画錯誤(Planning Fallacy)、甘い見積もりを立ててしまうことを、頭に入れておく必要がありそうです。
物事は、【自分が思っている上にかかる】と認識する
そうしたことを知った上で、バッファ(緩衝)という余裕を設けることが大切です。
- 時間的にも
- お金的にも
- 精神的にも
- 健康状態
- 人間関係にも
という、人生にかかわる項目に対してバッファ(緩衝)・プチプチを意識的に設定する。
でなければ、時間に追われ、お金に追われ、精神的に追い詰められ、健康状態(身体的)に疲弊し、人間関係に傷つく ことが起きやすいのはモノでも人でも同じことです。
そうした、人生に関わる項目が、落ち着いた平静な状態でないと、結果として、自分自身が望む人生の理想を叶えることが難しくなります。そうしたことがおろそかな状態で理想を叶えることはできません。
そうした人生に関わる項目の全ては、あなた自身の人生の究極の理想に、直結したことだからです。
得てして人は、叶えたい理想があるとき、今望んでいることが些細なことでも、ポジティブシンキングで前向きならばすべてがうまく行くと思いがちです。そして何も行動せず、そのことに対して深く考えることなく、突然にいいことが起こることを期待する。
けれども、そんなことはまず起きない。
起きないとき、自分の精神性をダメ出ししてしまう。
しかし、原因はそこではないのです。
バッファ思考を持っている人は、いざという時の備えた行動をします。あらかじめ起こりうることに予測を立てたり、時間やお金を備えたり、知識や情報を蓄えたり、するうちに最適解を見つけ出す。
そのいざということが起こらなくても、備えた行動をしているうちに身につけた能力があることで、自分のペースで振る舞えるようになり、結果として、いい形で理想を達成する、願望を叶えることができるのです。
理想を叶えるには、時間もお金も労力も、思っている以上にかかるということです。
それも、科学的に検証されていることです。
「ホフスタッターの法則」
認知科学者ダグラス・ホフスターが提唱した法則
「どんな仕事であれ、つねに時間は予想以上にかかるものであるーたとえホフスターの法則を計算に入れてもだ」
そして、バッファ(緩衝)・プチプチを取り入れて理想を叶えるには、余裕を持った時間やお金の使い方が必要なこと、労力は思ってる以上にかかることを考えれば、そのことに対して意識を集中させて、早く取り組みはじめることです。
チャレンジややってみたいことを若いうちからやってみることは、失敗も多いですが、それだけさまざまな経験や知識を蓄えられるからで、歳を取れば取るほど、そうした意欲や柔軟性をもって変化することに抵抗感が生まれます。
もちろん、人は幾つになっても、変わることはできます。
しかしだからこそ、今あなたの年齢がいくつかはわかりませんが、バッファを構築できるうちに、理想を叶える取り組みをしておくことがおすすめです。