自己啓発の世界や成功法則を語る人の中には、
人生をより良くしたいのなら、豊かな人生を送りたいのなら、人生を向上させたいのなら
自分を否定しない、
ありのままの自分を受け入れる
とわれます。
「ありのままの自分」については、「人はその時々で自分を変えている」ということを以前もお伝えしていますが、上記の言葉をそのまま受け止めて
何もしなくても、いいのだ
自分は、このままの自分でいいのだ
このままの自分が、ありのままの自分だ
という勘違いをしていると、
変化の時代の今の世の中では、向上するどころか停滞し、人生を詰むことにもなりかねません。
もしあなたが、
今の自分の在り方に悩んでいるのだとしたら
これから先の人生の生き方に迷っているのだとしたら
この先の人生を、より自分らしく豊かに生きたいのなら
あなた自身のことに向き合うことは、避けて通れません
そんなとき、よく言われる
自分を否定しない、
ありのままの自分を受け入れる
という言葉を間に受けないよう、言葉の持つ本当の意味を知って、あなた自身を整えていくヒントをお伝えします。
【自分を否定しない、受け入れる】という言葉の本当の意味とは?
【自分を否定しない】とは、自分という存在を認識すること
私たちは、誰しも自分という存在、自分という意識が元となって、今の時代を生きています。
- 何かを選択するのでも
- 何かに対して反応するのでも
- 何かに対して感情を動かされるのでも
- 何かに対して、行動をするのでも
自分が全て行っています。
もちろん、私たちを動かしている意識や脳は、自分以外の周りにいる人の言葉や行動に影響されていることも多いし、無意識的にその人と同じ思考や行動パターンを真似たりもしています。私たちは、赤ん坊の頃から、誰かを真似ることをしながら成長してきました。その影響は、日常の中での物事のあり方や振る舞い方、物事に対する考え方など、広範囲にわたります。もちろん、あなた独自の生まれ持った気質や、自ら選んで取り入れてきた知識や情報、といったものがあるのも確かです。
しかし、普段は、自分の持っている気質よりも、生育期の体験(親や周りの大人に言われた言葉、親や周りの大人が普段からしている態度や言葉、身近で見ている出来事)から生じた物事への考え方や振る舞い方のほうに影響されます。そして、人は、それぞれ生まれながらの気質があることを認識してはいませんし、そうした影響が自分が生まれ持った気質を覆い隠したり、否定されてしまうことさえあります。
あるいは、他の人の願望を自分のものとしてしまったり、社会のあり方の理想をこうあるべきと捉えて自分の理想とのギャップに苦しむこともあります。
そんな自分という存在
社会や人間関係、仕事や生き方も、自分という存在があってのことです。
しかしその、自分という存在は先ほど述べたように、割と周りからの影響を受けながらこれまで生きてきて、なにか行き詰まったり、これまで順調だったことがうまく回らないようになってくる。
そんなとき、
“あなたは、あなたのままでいい”
“自分を否定しなくていい”
“ありのままの自分を受け入れよう”
という言葉は、なんと心地よくて、だれも認めてくれなかった自分を肯定できる、そんな感覚になることでしょう。
しかし、それでは、真の意味で
- あなたは、あなた自身のことを知らないままです。
- あなたは、あなた自身と向き合うことをしないままです。
- あなたは、あなたが抱えている問題を解決しないままです。
- あなたは、あなたが持っている資質を知らないままです。
たとえば、あなたは、この数ヶ月で体重が10Kg以上増加している。仕事の忙しさで深夜に帰宅途中のコンビニで買ったお弁当、スイーツも食べ、お風呂も入らず、メイクも落とさずににベットに倒れ込むという毎日。翌朝は、バタバタと顔を洗って、(シャワーを浴びられればいい方)着替えてまた仕事。
そんな自分に、「自分は仕事で認められている、体重の増加は体力を維持するのに必要だ」と思い込む。
そんな毎日が続き、仕事でもうまく頭が回らずミスの連続がつづくと「周りはなんでわかってくれないのか、こんなに努力しているのに」と思うようにもなる。
肯定的に、ポジティブ、頑張ってきた自分。
これほどまでしてきたあなたは、自分を否定することに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、あなたが、体重を10Kgも増加したのは、ミスを連発したのは、コンビニ弁当やスイーツのせいなのか?、それとも忙しすぎて運動ができなかっただけなのか?。
“自分を否定しない、
だって自分は頑張ってきたんだもの”
と思うかもしれません。
しかし、スクリーンを通してこのことを読んでいる、皆さんは、「それはなにか違うと思う」と感じるはずです。
本当の意味で、【自分を否定しない】というのは、今の自分の現状をきちんと受け入れることです。
悪い部分もいい部分も含めて今の現状を、第三者的に冷静に受け入れることです。
- 自分が本当は、どのような状態であれば理想なのか、快適なのか
- 自分自身が、本当に望んでいる人生の目的はなんなのか
- 今の自分の生き方や考え方に、問題はないのか
- 今自分は何に悩んでいるのか、行き詰まっているのか
体重の増加、生活環境の荒廃、健康状態の悪化、仕事でのミスの連続、そうしたことの全てが、あなたに起きているは、意識的にも無意識的にも、自分が引き起こしたことだと認識し、自分の責任だと(自分ごとに)感じることです。
人は、自分自身のことであっても、人ごと他人事だとして、周りのせい他の人のせい、環境のせい、としてしまいがちです。
「自分を否定しない」という言葉の捉え方が間違うと、結果として、自分自身に起きている問題さえも、自分のこととして捉えようとはしなくなります。
自分を否定しないということは
今おきている問題や自分のダメな部分を塞ぐのではなく、今の自分の本当の姿、自分自身の置かれている状況を、自分のこととして受け入れることです。
それができた時、人は、
本当の意味で、自分と向き合い、自分に変化を引き起こすことができます。
【ありのままの自分を受け入れる】は、本当のあなたに気づくこと
なにかを考えずに生きるのは、楽なんです。
言われた通りに動く
日々、決められた通りのことを行う
違和感や、疑問が生じても、まあいいやで済ませてしまう
その場任せ、運任せで、やり過ごしてすごす
深く考え、何か違う、と考え始めることは、新しいことをするのと同じことで、脳にとってはとてもストレスでエネルギーのいることです。
だから、新しいことを習慣化するのが難しいとも言われます。ですが、一方で、脳の神経は新しい体験に対して大切だと思うほど、結びつきを強くしていきます。つまり、新しい体験から違う自分にもなれるということです。
物事に対して何も考えない状態を【思考停止】と言われますが、それはあなたが自分自身自身に対しても行っていることです。
ありのままの自分とは、何も考えずに、ただそのままでいることではありません。
- 自分は、今、どのような状態なのか
- 自分は、今、どの状況に置かれているのか
- 自分は、今、何を欲しているのか
- 自分は、今、何が足りないのか
というように、
自分を受け入れるとは、
自分自身の今を、きちんと認識することです。
自分自身の今の、状況を受け入れることです。
自分自身の今の、するべきことを知ることです。
また、「ありのままの自分でいれば、願っていることが全て叶う」と捉えて、想いだけで理想の自分になることを、だだ待っていることでもありません。
自分が理想とすることを、素直に受け入れその理想に対して、自分が何をしたらいいのかを受け止め、足りないと思うこと(スキル、知識、能力、行動力 など)を取り入れていくことです。
ありのままの自分は、
自分のダメなところを、単に否定することでも、
ダメな自分を、ダメなままでいいと思うことでもありません。
ありのままの自分は素晴らしい
だから、
ありのままの自分でいれば、願っていることが、叶う
そんな勘違いをしてしまいがちです。
それは何もやるべきことをやらず、自分を変えることもせずに、想い、思考だけで叶うものだといのは、世間知らずどころか傲慢です。
あなたははそれほど、神秘的ななにか能力を持っている人なのでしょうか?。
何もせず、周りの人や状況を動かすことのできる、有能な能力を持っている人なのでしょうか?。
そんなことは、ないはずです。
【ありのまま】というのは、
あなた自身についてを知ること
あなたをとりまく状況を知ること
あなたが望んでいることを認めること
と同時に、
あなたを取り巻く世界を知り、あなたの行動で変えることのできない世界があることを受け入れることでもあります。
(外の世界の絶え間ない戦争や、環境の悪化、低下する食糧事情、など)
そうした世界の状況の中で、あなたが何に注力して、日々ささやかながらも変えることができるものがあれば、それを変えていくと決めることも自分を受け入れることになります。それは、その背後にある気持ち:こんなことは自分は嫌だ、自分はこうなると嬉しいを受け入れることになるからです。
- 変えることができないことがある、を受け入れる気持ち
- 変えることができる、変えていきたいという気持ち
そのどちらも、受け入れることができるには、あなた自身を知らなければできないことです。
ありのままの自分とは、
あなた自身について知ることであり、あなたが欲することを認めることであり、あなた自身がどのような知識、どのような経験、どのような想い、どのような心理パターンを持っているのか、を全方位的に知ることです。
もちろん、全てを一度に理解することはできないでしょう。
ですが、人は、自分について知らない、向き合わないがために、生き方に悩み、降りかかってきた出来事に立ち尽くしてしまいます。
「自分を否定しない、受け入れる」は、
盲目的に、ありのままの自分でいいと受け入れることではありせん。
ありのままでいい、と変化し成長しないままでいいということではありません。
そのことに気づいて、自分を知り始めた頃から、自分の力で人生をプラスに好転させることができるのです。
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【本当の自分、ありのままの自分】の本当の意味
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