今、世界中を不安に陥れている新型コロナウィルスによる感染症。
中国武漢に次いで、感染者数がこの日本での多いとされています。
「国内(のどこか)での感染者、死者が出た」と連日報道されています。
初動態勢の悪さの指摘もありますが、歴史を振り返っても、元々この国のお上は庶民を守ることよりも経済を優先すること、体制を守ることを優先してきたのは歴史を見ても明らかです。しかし、それを嘆いていても、批判しても今の現実は変わりません。
今、私たちは、個人でできることをして自己防衛することを最大限考えなければいけません。
そして、今回のことに限らず、体調不良にもかかわらず会社に連絡したものの、「出社しろ」と言い出社を促す上司も多いとか?。
しかしこれもまた、「休めない」と嘆く前に、自分を守るためには自分なりに対処の仕方を考える必要がありそうです。
あなたは、身体の具合が悪い時、
あなたの属する組織(会社、学校、などなど)に、引目を感じることなく
「休みます」といえますか?。
あるいは、
「休めない」としたら、なぜですか?。
そして、本当に具合が悪い時、休みたいのに出社しろと言われてしまう時、実はあなたの伝え方一つで、ひけめを感じることなく休みを伝える伝え方があるのを知っていますか?。
身体の具合が悪い時に、会社を休む上で必要な考え方と伝え方
あなたが休めない、2つのパターンの裏にある考え方
身体の具合が悪くて、「休ませてください」と言って、
上司に「わかった」と言ってもらえる方は、まだ恵まれていると思います。
「休みたくても休めない」「具合が悪くても休めない」という状況の多くは、
- 仕事の代わりがいなくて、休みたくても休めない
- 収入が減ってしまうので、休みたくても休めない
という2つのパターンがあるそうです。
つまり、人的リソースの不足、収入源の不足が、ネックとなって休めない状況です。
先日あるSNSの投稿で見かけたのは、
「ノロウィルスにかかって、会社に連絡したものの出社しろと言われた」
あるいは、
「風邪をひいた。でも仕事の代わりが居なくて休めない」
というもの。
もしその病気が、インフルエンザ、ノロウィルス、今回の新型コロナなどの、他の人に移してしまう可能性のある疾患でも?
「そんな事はわかっている!」と言いたいでしょう。
何かしらの組織の中にいれば、「上長の指示命令に従うのが当然だ」という考えがあるかもしれません。
それは、まるで先の大戦の【一億総玉砕】とばかりに効果の上がらない方法で、戦争をしていた頃と変わらない精神論がいまだにあるのを感じます。成果の上がらない戦略で多くの人が命を失った、あのやり方をいまだにしているのです。
つまり、仕事の成果や効率よりも、そこにいることで、自分を犠牲にすることで、評価されるという現状です。
成果主義が叫ばれている一方で、いまだに、過程をどれだけ努力したか(努力している風)が重視されています。
しかし、身体の具合が悪い時に無理をして仕事をしたとしても、モチベーションも上がらず、成果も上がるはずはありません。そうしたやりやり方が当たり前だとなっている、日本の企業体力が落ちるのも当然です。経済の専門家ではない素人の私にでもわかることです。
そうしなければ、組織では働けないと言うかもしれません。
ですが、あなたは、成果の上がらないとわかっているやり方で、命を犠牲にして戦場に赴きたいと思っていますか?。
病気であるにもかかわらず、健康状態よりも仕事が優先されてしまう日本の現状は、世界からみたら異常な光景だといわれています。
そして、日給計算で働いている人は1日でも休んでしまうと給料が減り、暮らし向きに影響するという理由で、無理をして仕事に出てしまうというあなたは、しかしその身体の不調の裏に、
- 重篤な病気の引き金が隠されていたら・・・?、
- 感染性の病気で、他の人に悪影響があったら・・・?
それでも、給料が減るとして出社するでしょうか?。
その小さなリスクが、大きなリスク引き起こすかもしれないという可能性を、考えていますか?。
木を見て森を見ず。
目先のことだけを考えるとき、その奥にある大きな益を失うことがほとんどです。病気は放って大病になる程、治療が長期化して医療費がかさみ、100万円を超えることもザラにあるのです。そうした時の備はできていますか?。
仕事を休む選択が必要な、身体の不調とは?
体調不良、体の具合が悪い時というのは、どのような時でしょうか?
- 偏頭痛
- 原因のわからないだるさ
- 高熱がある
- 一般的な風邪
- インフルエンザ
- ノロウィルスなどの感染性の疾患
- 妊娠中の体調不良
- 心疾患
- 肺炎
- ガン
- その他の生活習慣病
などなど
この世には、体調不良を引き起こす様々な身体の状態、病気、数多く存在します。
そして身体の不調に限らず、ウツなどの心の不調も身体の不調を引き起こす心の病気として存在しています。
心身の不調というのは重篤なものから軽度なものまで、医師に診断された状態だけでなく、その時その人が感じる不調の度合いで、それまでの日常生活(仕事や家事、育児)にも影響が生じてしまうものです。
それまでの日常が思うように出来ない程の身体の不調がある時、それまでの生活での活動を一旦ストップして休む必要があるはずです。それは自然に備わった生き物の本能のようなものです。動物は体に怪我や不調がある時には、動かずひたすら回復するまで休むのだとか。野生の世界では、弱った状態で動き回れば、自分より大きな動物に命を狙われる危険性があるからです。
そして、私たち人間というのは、自分のことに関しては、
- 無関心だった
- 大丈夫と安易に考えたり
- 過剰に頑張りすぎたり
まるで他人事のように捉えてしまうところがあります。
自分のことなのにです。
身体は不調を、なんらかのサインで常に出しています。その小さなサインに気が付かずに、大きなサインになってからようやく気づいた時には、大きな病気になっていたりするのです。
「このぐらいの不調、風邪ぐらいで休めない」ではなく、
- 些細な身体の不調に普段から気付いておく
- その対処法を考えておく
という事は、自分の身体を守る上で必要なプロセスです。
こんな伝え方が休めなくさせている
あなたは、身体の具合が悪い時、どのように会社に連絡を入れていますか?。
- どのような手段なのか
- どのような時間なのか
- どのような伝え方なのか
そうした一つ一つが間違っていると、上司、会社に、休むことを理解してもらえることはありません。
どんなに重篤だろうと、インフルエンザやノロウィルスといった感染症であろうと・・・。
そして、休むことに引目を感じてしまっていることで、あなたは、上司、会社に、許可をもらおうと「お伺いを立てる」言い方をしていないでしょうか?。
「休ませてもらってもいいでしょうか?」と・・・・。
一般的なビジネスマナーのあり方では、休むに際しても「お伺いを立てる」「許可をもらう」つもりで伝えるというやり方を提示していますが、普通に休める上司、会社で通用するやり方です。
しかし、現実は、「具合が悪くても休むに休めない」ということがあり、そうした時には、【お伺いを立てる】というのは効果的ではありません。
本来、会社というのは、社員が社則に従って「働く」ということを前提とした組織です。
その組織から「休んでもいい」という前提で話すことはないのです。
もちろん、福利厚生として、年間休日、産休、有給などが設定され、引目を感じることなくお休みできる会社(組織)もあります。
忙しいから休めない
他に代わりがいないから休めない
というのは、
あなたが思っている思い込みに過ぎません。
そうした時、あなたも気付いているのではありませんか?。
- 「出社しても、何もできないだろう」
- 「出社したら、他の人に(病気を)移ししてしまうかも」 と
私自身も会社勤めしていた時は、務めたところ務めたところ本当に忙しい職場で、構成人数もそう多くない会社でしたが、身体の不調の時には、結構休んでいました。
接客業だった時も「風邪ひいて熱があるので休みます」で休んだし、
食品販売店の商品部勤務の時も、眼精疲労から偏頭痛が来ることが頻繁にあって、緊急の仕事がなく数日お休みすることができていました。
思えば恵まれた環境だったと思います。
しかし、そうでなくても、休みたくても休めない時、
- 身体の具合が悪い時に休むことは、当然の権利だと理解する
- 身体の具合が悪い時には、仕事をしても成果が上がらない
- 身体の具合が悪い時には、他の人に移してしまう事で業務に悪影響が出る可能性がある
ということを理解しておく事です。
そして、伝え方が曖昧だと、
相手は、あなたの本当の症状を電話だけでは理解できません。
相手は、病気に関する知識があるとは限りません。
だからこそ、伝え方がとても重要になるのです。
体調が悪い時、詳細に自分の状態を言葉にすることは難しいかもしれませんが、こうしたやりとりは、病気をして、医師と相対する時にも必要なことです。
医師であっても、あなたの感じている【痛い】【辛い】状態は、言われなければわかりません。
もちろん血液検査やCT、MRI、病理検査などで、身体の状態は理解することはできてもそれよりも、一番の有効な情報は本人からの言葉なのです。これは、私がこれまで何度となく両親の病気の関係で、医師と接してきた体験から学んだことでもあります。
では、休むということを会社に効果的に伝えるにはどのようにしたらいいのか?。
効果的な伝え方のポイント
具合が悪くて会社を休む時、効果的に相手に伝わる伝え方があります。
【効果的に相手に伝える方法】
- 伝える手段を考える
- 誰にいつ伝えるのかを想定しておく
- 休む前提の意識で伝える
- 要点を整理して伝える
- 伝える順番を意識して伝える
それぞれ詳しくみていきましょう。
step
1伝える手段を考える
デジタル世代のあなたは、メールやLINEで休むことを伝えようとしてしまうかもしれません。
それが普段から使っているコミュニケーションツールだから。ですが、「休む」という事はすぐに伝える必要がある事柄です。
メールやLINEは、相手がすぐに見ないかもしれません。朝の忙しい業務の中で後回しにされ、結果、あなたは「無断欠勤するヤツ」というレッテルを貼られてしまいます。
電話であれば、今はスマートフォンからでもかけられますし、伝えたい相手に直接伝えられ、伝えられる時に何度でもリトライできる方法です。そうした事からも、休みの連絡をするのなら、電話を使うことがベストです。
そして、あなた自身で伝える事です。
そうすれば、あなたの声のトーンや大小から、相手の人はあなたの様子を察知します。
step
2誰にいつ伝えるのかを想定しておく
休むことを伝える相手は誰ですか?。
直接の上司ですか?。もう少し話しやすい先輩社員さんですか?。
伝える相手はだれかを2人くらい想定しておきましょう。
そして、彼らの日頃のタイムスケジュールをイメージしておくことです。
朝は何時ごろ出社するのがパターンか。
朝出社したら何をしているのか。
(すぐにトイレに行ったりする。コーヒーを取りに行く、メールのチェックをする。など)
休むことを伝える人をイメージして、その人が何時だったら、すんなりと話を聞いてくれるのかをイメージしておく必要があります。
就業時間前に休みの連絡を入れるのがビジネスマナーだとしても、あまり早い時間に電話を入れても伝える相手が居なかったり、その人にとっては慌ただしい時間があったりするからです。
また、事前に誰に伝えるのかをイメージしておくだけで、すでに脳の中では体験したのと同じ意味を持つので、休みの伝達の時にはすんなりと伝えることができるはずです。
step
3休む前提の意識で伝える
休むという前提で伝える必要は、
こんな伝え方が休めなくさせているのとおりです。
前提としてどのような意識を持っているのかということは、あなたの言葉の表現や行動に現れ、相手の意識の中に伝わりやすい構造を持っています。
だからこそ、【自分は休む必要がある】という強い前提を持ちましょう。
step
4要点を整理して伝える
- 伝えたい内容
- 伝えるべき内容
はどのようなことか?。
整理する方法として、伝える要点をキーワードとして書き出してみるのがおすすめです。
「具合の悪い時にそんな事できない」と思われることでしょう。
ですが、今は、付箋紙やスマートフォンという便利な道具がありますから、寝ながらでも文字を書き出すことも可能なのではないでしょうか?。もちろん、それさえもできなほど具合が悪い時には、声のトーンや様子からあなたの状態が伝わるはずです。
これは具合の悪い時に、効果的にあなたの病状を伝える上での考え方ですが、この方法が必要なのは、何も病気の時だけではありません。誰かに、何かを伝える時にも効果的なプロセスとなります。
キーワード・例えば:
今日、具合が悪い、熱がある、38度、頭が痛い、体が動かない、節々が痛い、病院、インフルエンザ(病名)、出社できない、他の人に移る、医師の診断、診断書、 など
step
5伝える順番を意識して伝える
何かしらの物事に対して理解してもらうためには、効果的に伝える順番というものがあります。
料理のレシピでも、だらだらと手順を書きなぐった文章では、理解するのに何度も読まなければいけなかったり、理解しようとしている間に、何をするんだっけ?と混乱してしまったりします。【要点を整理して伝える】にも共通することですが、伝えたいことを他の人に理解してもらうためには、内容を整理して、伝える順番を考える必要があります。
コミュニケーション上手な人ほど、相手に伝える時の伝え方、話す順番、というものを意識しています。
これは
- 病欠の連絡だけではなく、
- 医師との対話
- ブログの書き方
- レシピの書き方
- プレゼンテーション
- 接客販売
など
人に何かを伝える、人と接して行動を促す、という時には必要な事です。
「なんとなく」「思いついた事」を、ただそのまま伝える(書く)では、相手には伝わらないのです。
効果的に伝えるための順番とは、以下の4つのステップです。
【伝える順番4ステップ】
- 結果・結論 :Outcome
- 現状・状態 :Symptom
- 原因 :Cause
- 根拠・裏付け:Evidence
- 結果・結論 :Outcome
【4つのステップを使った会話例】
①結果・結論:Outcome
「今日、〇〇なので休みます」
②現状・状態:Symptom
「昨日の夜から38度の熱があって、朝から身体のあちこちが痛く起き上がれない状態です」
③原因 :Cause
「今しがた、タクシーで病院に行ったところインフルエンザだと診断されました」
④根拠・裏付け:Evidence
「医者からも、会社の人にうつさないよう、数日休むよう言われました。
一応診断書ももらってあります」
⑤結果・結論:Outcome
「なので、今日から数日仕事ができる状態ではないので、おやすみさせていただきます。」
どうですか?。
スムーズに、休むということを伝えられるはずです。
このステップ該当することがなければ伝える必要はありませんが、この順番(ステップ)を意識して伝えると、電話の向こうの相手にすんなりと理解してもらえるはずです。
人は、理解できる→安心→了承 という段階を無意識のうちにしています。
理解できる事は、了承(OK)する上で、必要な第一歩なのです。
これまで、あなたが休むことを獲得出来なかったのは、相手の人に、あなたを【理解してもらえなかったから】なのです。
④根拠・裏付け:Evidenceに関して
一般的な症状の時にはその症状が酷くて医者に行けない状態のとき診断書が手に入らない時には、会社にはできるだけ今のあなたの状態を詳しく伝えましょう。
又、2020年4月10日現在 新型コロナウィルスの蔓延で発熱症状や感染が疑われる症状がある時には、外出を控え、各自治体の対応方法にしたがって行動しましょう。
効果的な伝え方のポイントを後押しする、Yesセット
実は、
効果的に伝えるため5つのステップの前に、相手の人に理解してもらうのに最強な0ステップがあります。
それが、
- 承認:Yesセット
です。
人は、
- 自分が尊重されたり安心できる状態
- 自分が受け入れやすい状態
であると、相手の言葉を受け入れることができる心理状態になります。
それにより、相手は自然とあなたを承認する「Yesを言う」ことができるのです。
相手が、自然とあなたを承認してしまう言葉を、ステップの前に加えてみましょう。
例えば、
「今、電話で話しても大丈夫ですか?」
「今、時間を少しいただいてもいいですか?」
と相手を尊重する一言があるかないかで、Yesセットができるかどうかが変わります。
もし、承認されれば、Yesとなるし、Noであれば、相手はそれに対する回答をして、尊重されたと受け止めます。
まずは最初に、この相手を承認する一言を付け加えましょう。
あなたは休める人かどうかは、今後の人生を左右する
休むことが確保されたら、じっくりと休みましょう。
食欲がない時、水分補給をして、食べられると思うものを食べましょう。
- もし、休んでしまって仕事を失ってしまったら?
- もし、休んでしまって会社で肩身の狭い思いをしてしまったら?
復職した後も、これまでと代わりなく接してくれるのであれば、あなたのこれまでの仕事ぶりを理解し、評価してくれている職場だと言えます。あなたが思う以上に【職場での評価が高い】ということを示しているのではないでしょうか?。
また、復職した後、何か職場の人の態度が違っていたら、残念ながらあなたのこれまでの仕事ぶりが評価されていないか、あなたがそこそこの仕事しかしてこなかった表れです。
あなたが貴重な存在なら、病気から回復してくれたことをありがたいと思うはず。
その思いは、言葉や行動で現れます。
病気というのは、今後のあなたの仕事人生を見直すきっかけにもなり、
今後の人生をも左右することにつながるのです。
人は、体を使い、脳を酷使すれば、当たり前に体に不調をきたします。
それは、誰であってもです。
ぜひこれからは、
身体の不調がある時は、休むことが当たり前。
これは、あなたのためのみならず、周りの人、ひいては、社会のため。
なのだという意識を持ってください。